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改めて、事故の事を

一昨日、ちょっと感情的になって書いた記事が有りました。
それを自分なりに記録し直す意味で、再度書き直します。
あくまでも、私が「事実」と確認又は確証できる状況と、それに対する「私見」を書きます。


では、行きます。
まずは「事実」と確認又は確証できる状況。
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先日9/20(日)未明、私も参加する予定だった酒田までのナイトツーリング。
そこで、参加者3名中2名が落車で重傷を負いました。
日常的感覚で言えば、9/19(土)深夜と言える時間帯です。

1名は、骨盤骨折で入院生活。
もう1名も骨折で、自宅療養ながら暫く松葉杖での生活となりました。
もう1名は、幸いにも無事でした。

落車に至った過程に、路面に刻まれていた「溝」に車輪を取られたと言うのが有ります。

その「溝」の状況を撮影して来たのが、この写真です↓
改めて、事故の事を_a0096557_20461166.jpg

場所は、国道48号線の仙台ハイランド入口に程近い場所です。
仙山線を越えるこ線橋から西(山形方向)へ下って来て、フラットになるかどうかと言う辺りです。

ご覧の様に、車道の左端に2本の黒い線が見えますが、実際には3本あります。
3本目は、路肩の白線と殆ど重なって見えると思います。
長さは、メジャーを当てたわけではないですが、15m程ではないかと思います。

撮影時、私は仙台市中心部へ向かっていました。
つまりこの溝は、負傷した方々が法律を遵守して走っていた「車道左端」と言える位置に存在しています。

なお、この写真を撮影した時点では、この溝は既に埋められていました。

この溝の状況について、無事だった1名の方から聞くと、
・幅は2cmは有ったと思う※
・道路管理者からの説明では、溝の最深部は7cm有ったとのこと
・溝に入り込んだ感触は無かったので、溝の両端は滑らかなスロープ形状だったかも知れない
との事です。
※ここで幅の話を検証すると、今月号の自転車雑誌に参考となる記事が有りました。
それによると23Cで24mm少々、25cで25mm少々の接地幅が有るとの事。
参加者のタイヤ幅が700×23Cと26×1.0。
溝の幅は2cmを軽く越え、3cm近く有ったと考えるのが妥当でしょう。

自転車としては3台とも同じ目に会っていて、前タイヤは全車とも側面損傷で裂けていました。
更に、いずれもリム側面に酷い傷を負っていました。
これは、溝の深さを裏付ける状況となります。

リム損傷は前後輪とも同じだったので、溝にスムーズに入り込んでしまっていたと想像されます。
これは”溝に入り込んだ感触は無かった”との言葉とも一致すると考えて良いでしょう。
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ここまでが、私が「事実」と確認又は確証できる状況です。
ここからは私の「私見」を。

前回書いて削除した記事には、「道路管理の不手際だ」と書きました。

私はイベントの参加を直前で断念した人間であり、重傷を負った方々は私の自転車仲間であり恩人です。
当事者ではなくとも他人事ではない、その思いが強すぎて冷静さを欠いていました。

「事故」とは複雑な要素が絡まりあって起こるのであって、何かが最大の原因と断じるのは極めて困難です。
路面状況、道路の警告表示の有無、事故地点の暗さ、夜間走行の装備、速度、車間距離・・・・・・
当事者と道路管理者や警察がきちんとした手順を踏んでこれらを充分に検証しながら、判断して行く事でしょう。

これに前回軽はずみな感情を持ち込んだので、野次馬根性と恥じて削除した次第です。

ただ、自分なりの整理として、どうにも納得し切れないのは先程から書いている「溝」の事。

この「溝」の意図は、状況からは判別できませんでした。
当事者の1人の話では、路面に雨水が溜まり易く、それを路肩から道路脇まで排水するためらしいとの事。
(道路管理者から、そう説明されたとの事でした)

<9/25訂正>
当事者であるこの方のブログに、きちんと説明が掲載されました
「溝」の意図はこちらを参照してください。

この「溝」が存在していた(埋められたので過去形)のは、ごく普通の国道。
つまり、人も自転車もモーターバイクもクルマも通って良い道です。

そして、この「溝」は人為的かつ意図的に刻まれたもの。
作るに当たり、通行する全ての人と車両にとって不都合が無いか検証が伴うのが基本でしょう。
それが充分に行われていたのでしょうか?

仮に幅が3cmだったとします。

原付からクルマまでは、全く問題は無いでしょう。

次に歩行者、これもたぶん問題ないでしょう。

では、自転車は?
ロードバイクどころか細身のタイヤのクロスや、一般的な軽快車(ママチャリ)でも危険ではないでしょうか?

しかも、7cmもの深さの溝が果たして必要だったのでしょうか?
※これについては「グルービング工法」と言うキーワードで検索すると、参考情報がわんさか出ます。
 路面の排水を意図したこの工法では、幅も深さも今回の「溝」とは別物(狭く、浅い)です。

こうして考えていくと、この「溝」を刻んだ際に、自転車はその検討対象に無かったと思って差し支えないでしょう。

本来道路とは、常に全ての利用者の安全を目指して作り維持されるべきものではないでしょうか?
この「溝」の存在には、その基本がどうしても感じられないのです。

その一方、全ての道路が全ての利用者に100%の快適と安全を保証しているという事も有り得ません。
残念ながら、わが国の道路行政はクルマ偏重から殆ど一歩も踏み出していません。
クルマから見て快適な道路が、歩行者や自転車からは不快で危険な道路と言う例も多々有ります。
もちろん、路面の劣化などに対するメンテナンスにも限界が有りますし。



いずれにせよ、多くの不幸な要素が絡まった結果、今回2名の方が怪我をしました。
そして、その一因となった構造物は、まだ他の路上のどこかに在ります。

自転車に乗り車道を走る全ての方々が、今回の事故を教訓にして欲しいです。

道路も、クルマやバイクや歩行者も、時には同じ自転車さえも、貴方を危険に晒す可能性が潜んでいる事を再認識して欲しいです。

そして、それを覚悟して走らなくてはいけない現状を再認識して欲しいです。
by gypsy-joe | 2009-09-24 23:15 | この道どうよ